先輩インタビュー

入職時の不安を乗り越えて、自分の目指した看護を実践しています

看護師
加藤なつみ

入職時の不安を乗り越えて、自分の目指した看護を実践しています

加藤さんのプロフィール

山形済生病院の外科系急性期の病棟に3年勤務後、ご主人の転勤2023年4月からつくば在住。
看護師を目指した時から在宅看護に興味を持っており、転居による転職を機に、病院ではなく施設での看護を行いたいと2023年7月に医心館つくばⅡに入職。

入社してまだ1年経ちませんが、医心館での業務はいかがですか?

入社してよかったな、と思います。

前職は総合病院の急性期病棟混合病棟に勤務しており、ターミナルケアや看取りもしていました。
ちょうどコロナが流行った時期も重なり、患者様とご家族様の時間がなかなか持てない状況でした。

「もう少し患者様やご家族様に関わりたいな」と思っても叶わなかったのですが、医心館に入職して面会の
制限がなく、ご入居者様がその方らしく過ごして頂き、ご家族様との時間を作るためのお手伝いができる
ので、すごく楽しみながら働いています。

病院経験3年を経て、初めての転職に不安はなかったですか?

環境が変わるのが1番不安でした。

病院以外の場所はイメージできなかったので、医心館はどんなところだろうと正直不安でした。

医師が常駐していない環境で働くということになるので、看護師としての高い能力が求められる場所だと
思っていましたので、「自分に務まるのか?ご入居者様やスタッフの力になれるのか?足を引っ張ってしまうのではないか?」という点が不安でした。

また、施設(医心館)に転職するとこれまで培ったスキルが落ちてしまうのではないかという事も不安
でした。

入社して大変だったことはどんなことですか?それはどうやって解消できましたか?

医師が常駐していないので、看護師の判断が重要というところが働いてみてなかなか慣れず、不安で自信が
持てませんでした。

実際には夜も主治医の先生と電話で相談でき、そばにいつでも相談できる管理者や先輩看護師がいます。
一人で悩まなくていいので、安心して働くことができています。

主治医の先生は、いつ電話しても対応してくださり、とても優しいので助かっています。

ご入居者様やご家族様との関わりで心に残っているエピソードはありますか?

歯肉がんの方で、入居してきたときは食事も摂れ、車いすで散歩にも行けたのですが、進行するにつれて
ベッド上の生活のみになり、食事も摂れないようになりました。

毎回食事介助をしていた娘さんが「自分はなにもしてあげることができない、面会に来る意味がない」と
おっしゃるようになってしまいました。

娘さんのフォローが必要と感じ、スタッフで「食事介助以外に娘さんが関われることはないか?一緒に過ごすことはできないか?」というテーマでカンファレンスをした結果、手浴や足浴、散歩を一緒にして頂くという結論にいたりました。

早速、娘さんと一緒に手浴を行うと、普段傾眠が強いご入居者様も目を開けて、笑ってくれたり、お天気の
いい日にはお散歩に行って写真を撮ったりと、娘さんにもとても喜んで頂きました。

その後急変し、突然のお別れとなってしまったのですが、娘さんからは、「一緒に過ごせること、役に立てることを探してもらい、親子の時間を作ってくれたのが本当にうれしかった」とおっしゃって頂けました。

その時に「これが、私がずっとやりたかったことだ」と思えました。

(ご家族からは、加藤さんへお礼のお手紙を頂いたそうです:写真)

加藤さんのように病棟経験3年で始めての転職を検討する看護師さんに向けてアドバイスがあるとしたら、どんなことがありますか?

病院では師長さんや先輩から「もっと患者さんのところに足を運んで!」と言われるのですが、
業務をこなすので精一杯で、患者様やご家族様と一緒に時間を過ごしたいと思っていても実現できません
でした。

確かに不安はありましたが、医心館では、がん末期の方が最期の時間を家族と一緒に過ごすサポートができるので「看護師が働く場所は病院だけではない」と考えが変わりました。

もし、少しでも気になる方がいれば挑戦してほしいです。

 

インタビューアーの感想

エピソードで伺ったご入居者様はインタビュー当日の朝にご逝去され、ご家族様が加藤さんにお手紙を渡して帰られたところでした。

スキルや新しい環境に不安があっても、管理者やチームと協力して、それらを解消し、「ご入居者様やご家族様のために何ができるか一緒に考えたい」とやりたい看護を実践している加藤さん。

これからもたくさんのご入居者様、ご家族様とのエピソードを作っていける素敵な看護師さんだなという印象でした。

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