先輩インタビュー

最期の時も家族の一員のように関われるのが医心館

看護師
鈴木 匠

最期の時も家族の一員のように関われるのが医心館

鈴木さんのプロフィール

資格取得後、国際医療福祉大学熱海病院に入職。
配属された急性期病棟での慌ただしい看護に疲労と疑問を感じ、同期で医心館に転職した宇賀神さん(現:看護管理者)に相談し、医心館を薦められ、入職。

転職をしようと思ったきっかけについて教えてください

大学病院では、患者様の最期を看取る時や急変時の家族や患者様と関わりを持つ際に、自分自身が納得のいく時間を確保することがなかなかできず、もっと時間にゆとりをもち、終末期やエンドポイントを大切にしていきたいと思うことが多くありました。
そんな時に同期の宇賀神さんから医心館を紹介して頂き、ご入居者様やご家族様と関わる時間を増やせると思い、医心館を選びました。

現在の職場の管理者の宇賀神さんは前職の同期ということですが、同期が管理者というのはいかがですか?

管理者の仕事は、傍から見ていても大変な仕事だと思います。
だからこそ同じ年代の自分が、まず支えにならなくてはと思っています。
もし、自分が反対の立場で管理者だったら助けてもらいたいと思いますしね。

医心館の職場の魅力はどんなところだと思いますか?

スタッフ同士の連携がよく、デスカンファレンスや通常のカンファレンスも頻回に開催しており、入居者様の生活をよりよくするために日々考えて動いている点です。
病院のケアでは実現できない喫煙や飲酒も、主治医と相談して実現できている方もいて、最期の時まで「その方らしく」を尊重する生活をみんなが考えているところがいいところです。

実際に働いてみて、入職前のイメージとのギャップはなかったですか?

入職前に宇賀神さんから詳しく医心館の事を聞いていたので、ギャップはなかったです。
チームワークもすごくいいですし、問題が起った場合は管理者に相談し、申し送り事項に挙げて、皆で解決をはかるようにしています。

先程「主治医と相談して」とおっしゃっていましたが、医師が常駐していない点を気にされる看護師さんが多いのですが、鈴木さんはいかがでしたか?

最初はかなり不安でした。病院とは違う点も多く、医師が常駐していない中での急変時の対応が特に不安でした。最初のうちは不安を持ちながら働いていた感じです。
しかし、先輩方をみていると往診の時に、今後の方針やご家族と急変時の対応などを確認されており「先を予測して行動する」ということを身に付けていけば良いのだと気付きました。
次第にどのタイミングで先生を呼べば良いかがわかるようになり、不安は解消していきましたね。
スキル面やアセスメント力が不安でも、先輩や他のスタッフとも相談することができるので、今でも悩んだ時や、煮詰まりそうな時は、すぐ周りに相談しています。
総合病院で3年の臨床経験があれば、どんな方でも大丈夫だと思います。

病院との大きな違いってどんなところだと思いますか?

ワークライフバランスがものすごくとれることです。
リフレッシュする時間と、働く時間のメリハリがとてもつきました。
大学病院の時は残業時間も多く、退勤が0時近くなる時もあり、精神的にも余裕がなく、常に張り詰めている状態でした。医心館での業務は自分もスタッフも余裕もあり、残業も少ないので余裕を持って業務にも臨めています。
大学病院の時は家に帰っても、業務であったことを引きずってしまっていました。
今は自宅からの通勤時間が伸びたのですが、気持ちを切り替えることができるようになったのが大きいです。業務であったいろいろなことも引きずらず「トライ&エラーだ」と思えるように変わりました。

通勤時間の使い方の他にメリハリがつくようになった事は何かありますか?

医心館で働くようになり、先輩方の仕事のやり方を参考に「先を見て予測を立てる」という事の重要性を感じ、自分でも取り入れたことです。
急性期では患者様の変化も早く、毎日受け持つ方が変わっていましたが、医心館では、急性期よりも長い時間ケアをする方が多いので「長いスパンでその人をアセスメントする」という視点が身に付き、目先のことにとらわれることがなくなったのだと思います。

実際、働いてみて、鈴木さんが感じる医心館でのやりがいとはどんなところですか?

急性期病院から転職してみて感じるのは、ご入居者様おひとりに掛ける時間が長いというところです。
病院では業務に追われ、関わる時間が短くなり、患者様やご家族様との関わりも“流れ作業”のように感じていました。
医心館ではおひとりに関わる時間が長く、ケアだけではなく日常の会話も交わせる場合も多いので「その方のお家」という医心館ならではの関係性が築けますので、ご入居者様に心を開いて頂きやすいと思います。
ご家族様にも信頼いただけ、最期の看取りの時にも家族の一員のように関われるのが、やりがいですね。

ご入居者様やご家族様との心に残った場面やエピソードがあれば教えてください

ご入居者様に「鈴木さんにお願いしたい」と指名されるとそれまでの関りの中で、信頼関係が築けていたのだと実感し、嬉しく、転職してよかったと思います。
また、身寄りがなく、知人の方がお世話をしていらっしゃる方がおりました。
亡くなる前に注文していた蜜柑を 「鈴木さんにもおすそ分けを・・・」と知人の方に言い残していてくれていたようで、山盛りの蜜柑を頂いた時は、お気持ちがすごく嬉しかったのを覚えています。

 

医心館を転職先として検討している方に向けて、メッセージをお願いします

お一人お一人時間をかけて関わっていきたいという方は、是非医心館に来て頂ければと思います。
大学病院はスタッフがほぼ20代なので、いろいろな知識や考え方を学ぶのは難しいのですが、医心館では、いろいろな視点からのアプローチを学べるのでとても勉強になります。
自分の経験を挙げると「麻薬のスイッチのタイミング」について、大学病院の時はほぼ医師の指示で関与していました。
医心館ではご入居者様の痛みをアセスメントし、全身状態とあわせて主治医に相談するタイミング・内容を考えるので「考える力」が養われます。

今後の目標や、挑戦してみたいことを教えて頂けますか?

病院時代の同期の宇賀神さんが管理者を務めているので、少し前は管理者も経験していきたいなと思っていましたが、最近ではスタッフとしてもっと経験を積みたいなと思っています。
入職して1年半でまだまだ全然経験が足りていないですし、もっといろんな事例も経験したいです。

 

 

インタビューアーの感想

真面目でまっすぐにご入居者様・ご家族様と向き合い、看護を提供している印象の鈴木さんでした。
エピソードを伺った際、ご自身ではあまり思いつくことはなかったようですが、この日に入浴介助をした方が、自宅では酸素を付けながらの入浴が怖かったけれど鈴木さんに介助してもらい、久しぶりにゆっくり入浴出来て本当にきもちよかったと話されているのを聞いて、本人はあまり自覚されていませんが、日々のケアの一つ一つがエピソードに溢れた方という感想を持ちました。
もっともっと現場で経験を積みたいという鈴木さんの活躍に期待したいと思います。

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