先輩インタビュー

ご本人とご家族の望む形で見送れるのが医心館

看護管理者
横関さん

ご本人とご家族の望む形で見送れるのが医心館

横関さんのプロフィール

資格取得後、大学病院内で、循環器・呼吸器外科、腎臓内科・外科、救命センターに勤務。
その中で、終末期の看護に接し、やりがいを感じ、看取りを主とした終末期看護を深めたいと医心館に応募。
医心館 横浜立場、上大岡での勤務を経て、現在は、武蔵浦和の管理者として活躍中

大学病院から転職しようと思ったきっかけと、医心館を選んだ理由をお話頂いてもよろしいですか

転職する直前は、救命救急での勤務だったのですが、「患者さんと話ができない」というのが辛く、努力はしてみたのですが、自分のやりたい看護ではなかったので、思い切って病院を退職しました。
しばらくゆっくりして転職活動を開始した当初は、緩和ケア病棟に転職したかったのですが、緩和ケア病棟は病院の人員状況で、急性期への異動が多いと聞いていたのと、緩和ケア病棟を持つ病院自体が少なかったのもあり、エージェントに登録したところ紹介されたのが、医心館でした。
たくさんの拠点を展開しているので、異動があるかもしれませんが、どこの拠点に移ってもがん患者さんや終末期に関われて、同じ条件で働けると思い、応募しました。

病院勤務の経験のみで、初めての転職先が医療依存度の高い方を対象としたホスピスということに、抵抗はなかったですか

実は当初はありました。
それを解消するため、医心館への入職までの間に、単発で介護施設での勤務を経験しました。病院との違いにカルチャーショックを受けましたが、介護施設での看護業務が「こんな感じなのだ!」とイメージできました。

入職前にいろいろな介護施設での勤務を経験されて、あらためて医心館の魅力はどんなところだと思いますか

医心館の魅力は、様々な疾患の入居者様に関われることでたくさんのやりがいを感じるところです。
私は、看取りに関わることにやりがいを感じるので、看取りがあるというところと、がん末期だけでなく、難病の末期の方も多いので、疾患を問わず看護を提供できることにやりがいを感じます。
看取りを含めた、終末期のケアにやりがいを感じる人にとってはとてもいい場所だと思います。

がん末期の方を含めた終末期の方が多い医心館で、看護師さんが感じるやりがいはどんな点だと思いますか

ご本人とご家族様の望む形で、笑顔でご入居者様を見送れるというのが私の目標で、それができるのが医心館です。
看取りに関わりたい、極めたいという看護師さんは、それがやりがいになると思います。

やりがいとつながる部分もあるかと思うのですが、入職して良かったと思うことはどんなことですか

その方の最期に関わりたいというのがベースにあるので、それが常に提供できる環境があるのがよかったです。
納得してご逝去される方が多いので、その方を支えることができてよかったと思えますし、スタッフでも看取りに関わりたいと思う人は、看取りのたびに自分の関わりを振り返ることができるので、管理者としてそういったスタッフを見られてすごくよかったと思います。

たくさんの方に関わってこられたと思いますが、これまでで心に残るエピソードを教えていただけますか

医心館 横浜立場に一般の看護職として勤務していた時のご入居者様のエピソードです。
ALSで終末期の70~80代の女性で、延命治療は一切しないと決めていらっしゃる方がいました。
全身状態も悪くなってきて、呼吸も難しく、息苦しい中、口パクや筆談、ジェスチャーで、私達にいろいろ伝えようとしてくれていました。
本当に我慢強い方で、息苦しくても、自分でトイレに行こうと頑張る方で、スタッフの中には動くのを控えるように勧める方や、トイレでの排泄ではなく、床上でオムツを使った排泄を提案する方もいましたが、私はご本人の意思を尊重して、ご自身のやりたいようにして頂いていました。
とてもつらそうなときもありましたが、「OK」と言って、ニコニコ笑って、自分のやりたいことを、自分ができる喜びを、嬉しそうに表現してくれました。

その方のご家族も、ご本人の意見を尊重していたので、その方は最期まで人工呼吸器等は付けずに、苦しい中でご自身の人生を終えられたのですが、呼吸が苦しく、血中の酸素飽和度が下がってきて酸素が必要な状態になっても、自分がいやなこと(人工呼吸器を付けること)をする方が苦痛だったと思います。
「延命治療をしないで逝きたい」というご本人の望みを叶えることができて、ご家族もとても喜んでくれていました。
この方への対応に関しては、スタッフ間で様々な意見がでましたが、ご本人とご家族の意見が一致しているのであれば、それを尊重するのが、私達の役割なのだと感じた事例です。
今まで病院では看取りの数も少なく、この方のように難病の終末期で、どんどん自由が利かなくなる状態と、気丈に戦う意思の強さを持った方の看取りは経験がなかったので、強烈に印象に残っています。

病院との違いはどんなところでしょうか

病院では、医師の指示を守り、安全に過ごすというのが前提で、病気を治すのが最優先になるため、犠牲を払ってでも、病気を治す生活を強いられます。
一方、医心館ではご本人とご家族の意向が最優先で、治療を続ける方も中にはいらっしゃいますが、治療ではなく、本人のやりたいことを最優先できるという点が違います。
アルコール性肝硬変があって、肝がん末期の方が、主治医の許可が出てお酒が飲めるなんて、病院では考えられないことです。
病院は治療で、医心館は生活の場なので、ご入居者様がやりたくないことは、やらなくていいというのが大きな違いだと思います。

管理者になったきっかけや当時の想いを教えてください

前職で中間管理職(主任)をやっていたこともあり、転職活動をする際に、「管理者として応募してもでもいいのでは」とエージェントの担当者から提案もあったのですが、最初から管理者で入職するよりも、一般の看護職として現場を経験したいと考えました。
働いていく中で、管理職の業務や、スタッフとの関わりを見ていて、「自分だったらこうしたいな」と感じる事が多くなってきた矢先、医心館上大岡の開設を知り、管理者として異動を申し出ました。

医心館 上大岡での管理者としての業務はいかがでしたか

実際の業務に入る前に研修は受けたのですが、自分がやる側になると、イメージと全然違っていて大変でした。

どの業務が大変でしたか

どの業務も慣れるまでは、全てに時間がかかり、大変でした。
メールを打つのにも時間がかかるし、本社のどこに連絡したらいいのか迷うことも多かったです。
ご入居者様もどんどん入ってこられるので、現場も大混乱だったので(笑)何かを決めてかなければいけないという事が多く、決断は早い方なのですが、量が多かったので、落ち着くまでに3ヵ月ほどかかりました。

開設拠点は相当大変だったと思いますが、やりがいはどうですか

スタッフ間の距離が近く、一体感が生まれるという点が、開設拠点の特徴だと思います。
スタッフが異動や新しく入社した方たちなので「こういう施設にしたい!」という目標に向かって、みんなが同じ方向を向いて、0から作り上げていくという過程にやりがいを感じられます。例えると、文化祭や体育祭みたいな、「お祭り」的な一体感と達成感があります。

横関さんが管理者として、スタッフへの接し方で心掛けていることはありますか?

1つ目は、本人ができないこと、苦手と思っていることを全て代わりに対応しないという事です。
詳しく言うと、サポートで声を掛けた時に、普段その業務をできている人が依頼してきた場合は代わって対応しますが、苦手と思っていることを依頼してきた場合はあえて代わりません。
もちろん質問があれば答えますが、そこで私が全て代わりにやってしまうと、いつまでも自分ではできるようにならず、その人のためにならないからです。

2つ目は、上下関係のこだわりが薄いという点です。
スタッフはそれぞれ、経験値も違うので、お互い個々を一看護師として尊敬できるところは尊敬しますし、そうでないところは指摘するようにしています。
例えば、病院だと年齢が上というだけで、能力とは関係なく先輩の看護師として扱わなければいけないという風潮があったので、医心館武蔵浦和ではあまり上下関係なくフラットに見るようにしています。

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