先輩インタビュー

管理者の経験がなくても、周囲に支えられてここまで来ました

看護管理者
渡邉 奈津希

管理者の経験がなくても、周囲に支えられてここまで来ました

医心館の看護管理者は、マネジメント(師長や主任)の経験がないと難しいと思っている方が多いようですが、実はマネジメントの経験はなくても、スタッフやご入居者、ご家族様とより良い関係を築けるコミュニケーションと柔軟な姿勢さえあれば、管理者として活躍して頂けます。

今回インタビューした渡邉さんも、マネジメントの経験がない中、日々いろいろな事例を受け止めながら、管理者として成長し、活躍されています。
渡邉さんの管理者として大切にしていることを伺いました。

- 医心館を転職先に選んだ、決め手を教えてください

医心館に入職する前は、急性期の病院で手術や化学療法をしている病棟や外来で勤務していました。その中には終末期の患者さんもいらっしゃったのですが、業務が多忙で、時間に追われる中での関わりに限界を感じていました。
転職活動をはじめ、いろいろ調べる中で初めて医心館を知りました。
今までの私の“施設”という認識は、“医療依存度が高い方の受け入れには制限がある”というものだったので、医心館の内容を見て、ほとんど病院と変わらないということに衝撃を受けました。
人工呼吸器を装着している方もいて、医師が在住してない環境で看護師が管理するというところに、今の自分の経験が活かせるのではないかと思い、選ばせていただきました。

- 医師がいない中での業務は、怖くなかったですか?

ドキドキしていました。
2つの病院の経験しかなかったので、病院以外のところではどんな仕事をするんだろうっていうのもあって。
入職してすぐに、人工呼吸器の方が入居されていらしたので、最初にケアに入る時は「どうしよう」って思いましたが、主治医の先生とは連携もすぐに取れましたし、状態も安定しており、呼吸器の設定・管理もしっかりできていたので、ケアに入ってしまえば不安はすぐに解消できました。

- 受け入れてしまえば不安はなくなりますよね。私も人工呼吸器の方の入浴を最初に見た時は、びっくりしたのを覚えています

私も、人工呼吸器の方の入浴を見た時は、病院では一度も経験がなかったので衝撃を受けました。最初は、スタッフ7~8人がかりで介助していましたが、今は3名で入浴の介助をしているので、ちゃんと管理ができていれば大丈夫なのだな、と実感しています。

- 最初に入職した時は管理者ではなく、一般の看護師からと伺っていますが・・・

そうです。2022年の4月に入職後1年間は、一般の看護師として勤務していました。それから主任を経て、管理者のお話を頂き、約1年半経ちました。
管理者として1年以上継続できたのが、自分でもびっくりです(笑)

- 管理者のお話をいただいた時はどうでしたか?

病院で管理者としては働いてはいなかったので、どんなことをやるのだろうと、かなり不安でした。 管理者になってからは、本社からサポートを受けたりする中で、病院での管理業務の概念とは少し違うものだとわかってきました。
最初は「できることからやっていこう」と考え、自分がスタッフの中に入って、協働しながらやっていく方法を採っていました。そうすることで「今まで私がやってきたことを、みんなに伝えていくことからできればいいんだ」と思えるようになってきました。
医心館の管理者はスタッフと共存しながらやっていけばいいのだな、と確信できて、不安は解消されました。

- 管理者になって大変なところはどんなことでしたか?

病院のリーダー業務の中で、スタッフの相談事などを受けてはいたのですが、医心館の管理者になると、スタッフはもちろん、ご入居者様のご家族とのやり取りも発生してきます。
ご家族様などに「責任者を呼んでください」と言われたりすると、“私が行ってもいいものなのかな”って思い、ドキドキします。時折、ご家族様から「(見た目で)若いんですね」や「あなたですか?」というようなこと言われてしまうこともあり、「管理をやらせて頂いています」と少し遠慮気味に答えていたのですが、最近は胸を張って「管理者です」と言えるようになりました。

- 渡邉さんが感じる管理者のやりがいを教えて下さい

医心館の管理者は、チームの外から指示するというわけではなく、中に入っていくことが重要なので、“チームのキャプテン”が役割だと考えています。そして、問題解決に向かってまずは私が動くようにしています。
その上で「こういう風にやってみては・・・?」とスタッフに形で伝えると、賛同してくれて、チームで一緒に問題を解決していこうという雰囲気になっていくのが、やりがいに繋がっていると思います。
スタッフと一緒にやっていくことをひとつひとつ積み重ねていくと、スタッフ間でも考えるようになって、私一人で抱え込まなくて済むなというところに繋がり、今のスタッフ達と働けてよかったなと思っています。

- 管理者として抱え込まなくて済むってなかなかできないと思いますが、抱え込まない秘訣は何でしょう

カンファレンスを頻回にしています。しっかりしたカンファレンスというわけではなくて、少人数でもその場で、「こういうことがあったんだけど、みんなはどうしていきたい?」というショートカンファレンスを日々行っています。
そういう積み重ねが、抱え込まないでいられる秘訣でしょうか。私は1人で悩むタイプではないので、相談する先をしっかり決めていて、どうしても抱え込んでしまうときは、本社に相談したり、サポートを頂いた本社所属の担当者に相談に乗って頂いています。
スタッフにも「何かあったら、私も一緒に考えるから」ということは伝えてあり、問題が起こると自分で現場に行って確認するようにしているので、スタッフも分かってくれているようです。

- 管理者の仕事をしていて関わったご家族様、ご入居者様とのエピソードを教えていただいてもいいですか。

管理者になってからの関わりで1番印象に残っているのが、膠芽腫の末期の方で、ご家族とご親族が対立されている方の事です。
奥様がキーパーソンで、ご自身も持病を持っていらっしゃるので医心館へ入居されたのですが、ご親族はご自宅での療養を希望されていて、お互いのお考えが全く摺りあわない状況でした。
主治医の先生は、キーパーソンである奥様のご意向を尊重するのが一番とおっしゃっていたのですが、それぞれの想いが強かったので、管理者としてそれぞれの方たちの想いを傾聴し、半年かがりで「外出する」というところで折り合いをつけました。
お盆には外出し、ご自宅で仏壇にお線香をあげることができ、ご本人、奥様、お子様たち、ご親族皆様が一緒の時間を過ごすことが出来ました。
入居前の状態から考えると、身体面でも家族間の中でも、絶対にできないであろうと予測していたのですが、半年をかけてようやく、ご本人のご意向が叶えられる状況になってきたので、やってきて良かったなって思います。

- ママさんナースでもある渡邉さんの、管理者としての一日の過ごし方を教えて下さい

出勤の時には大体5時半頃に起きて、まず愛犬2匹を愛でます(笑)そこから元気をもらい子供のお弁当を作り、自分の支度をして、8時ぐらいに家を出ます。
夜の帰宅が遅くなることもあるので、出勤前に夕ご飯を作っていくことも多いですね。
出勤してからは 予定表で外出や訪問診療などの有無を確認して、自分のスケジュールを立てたあと、今日のルートの確認をします。申し送りに参加した際にそこで得た情報を検証するために、ラウンドし、スタッフに共有します。入居や訪問診療は午前中に入ることが多いので、必要時にはそれらにも一緒に入っていくっていくようにしています。昼食を取った後、午後は事務作業をしながら、スタッフからの相談事項に対応するようにしています。今後の入居について、地域連携看護師の方とも情報交換をするようにしています。
毎日19時ぐらいには退社して、買い物をして帰ります。
子供は高校生なので、夕食を作っておけばあとは手がかかりませんし、主人は仕事に理解があるので、家庭との両立はうまくできていると思います。

- プライベートの過ごし方を教えて下さい

休日の朝も早めに起きて、犬の散歩行きます。
それから、高校1年生の娘とは友達同士のような関係の親子なので、一緒にショッピングやランチに行ったりしています。娘と行動することがストレスの発散にもなっています。

- これからどんな管理者を目指したいと思われますか。

管理者としてはまだまだ経験も知識も足りてないところもたくさんありますが、私の一番の強みが、スタッフの中に入っていくっていうところだと思っているので、スタッフと一緒に問題を解決していく、そういうリーダーになっていきたいなと思っています。
ご入居者、ご家族様、スタッフにとって、一番身近な存在になりたいなと思っています。

- これから管理者に挑戦しようと思う方に向けて、メッセージをお願いします。

医心館でのルールやサービスの提供の仕方をしっかり把握すれば、管理経験がなくても挑戦して頂ける職種だと思います。
管理経験のない私が継続できているのも、みんなと一緒で、1人じゃないと感じるところが大きいです。
管理者は責任のある仕事で、やりがいもありますし、病院とは違った環境で充実した看護が出来るので、ぜひ挑戦してほしいと思います

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